「地域を切り口に考える主権者教育」

講師:原田謙介 氏(NPO法人YouthCreate代表)

 平成28年度の県高社研では、主権者教育に関する講演をお聞きしました。その内容を報告します。

 

≪原田氏の経験から感じたこと≫

「若者と政治は、互いを知る機会があまりに少ない」

 → 若者と政治をつなぐ活動をやろう!ということで、2008年以降、学生団体ivote代表やOneVoiceCampaign発起人などを通して、様々な活動を行ってきた。

 

≪18歳選挙権時代をどう捉えるか?≫

 2016年は「選挙権が下がった年」or「若者の参画が始まった年」?

 → 後者を目指さなければならない。そのためには、下から目線で若者を巻き込む!

 → 「権利を与えたから投票に行こう」ではダメ!「若者の力を必要としている!」ことを伝えることが大事!

 

≪若者と政治をつなぐ企画の作り方は?≫

 「選挙」の学習からスタートしたり、いわゆる「政治」を学んだりするだけでなく、自分たちの生活と政治との関わりを知ることがスタート。

 

≪学校現場での実践例≫

 主権者教育に関する取り組み後のアンケートで、「選挙は大事だと思った」「選挙のルールをきちんと知る必要がある」といった感想は、良い感想と言えるか?

 「議員に想いを伝えてもいいんだ」「私たちの意見が求められていることを知って積極的に参加してもいいんだと思った」「政治は身近なとこにもある」といった感想が出る取り組みが必要。

 

(実践例1)シュミレーション「公園をつくろう!」

 個人が様々な立場(近隣住民や中学生、お年寄りなど)になりきり、どんな公園が理想的かを考える。その後、グループ内で意見交換し、合意形成を目指すワークショップ。

 

(実践例2)政治と生活の接点

 学校周辺の写真を提示し、写真の中で政治が関わっていると思う事柄をできるだけたくさん見つけよう!というワークショップ。

 

≪感想≫

 今回の講演をお聞きして、主権者教育の重要性をあらためて感じました。しかし、若者の政治参画を促す実践が求められる一方で、選挙における違反に関する指導を併せて行う必要もあり、そのバランスの難しさも感じているところです。今後も様々な場面で情報収集・情報交換を行いながら、より良い主権者教育のあり方を模索していきたいと思います。本日は、お忙しい中、山形まで来て講演していただき、本当にありがとうございました。