6月26日(月)、米沢工業高校を会場に、地区の地理部会研修会を行いました。今回は、米沢工業高校で行われる「対話的な学びをめざす公開授業」を活用し、部会の研修会としました。
p4c(=philosophy for children「子どものための哲学」)という教育手法についての紹介と、それを取り入れた公開授業や意見交換会がありました。p4cを積極的に導入しているハワイの教育関係者も招いた研修で、大変貴重な機会となりました。
p4cについてはコチラを参照。(リクルート『キャリアガイダンスvol.414』)
【当日の日程】
(第Ⅰ部)「p4cとは」
・公開授業①・・・p4c初体験の全日制クラス(40名)
ハワイの先生主導でp4c体験
・研修会・・・「p4cとハワイの教育事情」
トーマス・ジャクソン博士(ハワイ大学)
豊田光世 准教授(新潟大学)
(第Ⅱ部)「p4cの授業への導入」
・公開授業②・・・定時制クラス(9名)
定時制教諭 高橋英路 先生の授業
・意見交換会・・・公開授業についての意見交換
第Ⅰ部は、p4cを初めて聞くという方向けの研修でした。全日制の生徒たちも初めての体験になりました。
当初は、事前に考えてもらった問いについて対話するという予定でした。が、当日の生徒の状況を見て、まずは「場づくり」ということで予定を変更して実施しました。
結果的に時間が足りなかったようですが、それが逆に「またやってみたい」という声に繋がったと思います。初めての生徒にいきなり対話させるのでなく、じっくり場をつくってからということが大切ですね。
また、授業後の研修会では、p4cについての補足説明や、ハワイの学校での取り組み事例を紹介していただきました。そこでも、やはり、いきなり対話をするのではなく、場づくりに相当時間をかけているという話がありました。
ちなみに、p4cでは、「何を言っても否定されない」「じっくり聞いてもらえる」という安心感のある状態を「セーフティ」と呼び、最も重視しているそうです。
第Ⅱ部は定時制のクラスの公開授業でした。普段からp4cに取り組んでいるクラスですが、生徒9名に対し、参観者が20名以上という状況でした。
それでも生徒たちは堂々とプレゼンしたり、対話したりしていて、少しずつの積み重ねが生きていると感じました。
このクラスも最初から活発に対話できていたわけではなく、初めてやったときはかなり厳しい状況でした。それが少しずつ変わってきたということで、以前の状況を知っている方から見るとp4cの効果を実感できる1コマだったと思います。
最後は参加者による意見交換会がありました。椅子を輪の形に並べ、p4cのスタイルで行いました。
参加した先生からは「頭がエキサイトな状態!」「鳥肌が立った!」といった声が聞かれ、熱い研修会になりました。
研修会が閉会した後も、多くの先生方がその場に残って語り合っていました。
(オマケの話)
第Ⅰ部が終わった後、第Ⅱ部までだいぶ時間がありました。参加者の方は外に出て夕食でも食べてくるのかと思いきや、ほぼ全員が控室に残り、初対面の先生方が机をくっつけて熱く語り合っていました。教員であっても、生徒と同じように学びたいという姿勢が大事だなぁと再確認しました。